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![]() 【Viva!ヨーロッパ】デザイン性も考慮されたエコな住居が並ぶウエスタン・ハーバー。真ん中後方はターニング・トルソと呼ばれる北欧最高(193メートル、54階建て)の高層ビル。ひねりの入ったユニークな外装はマルメのシンボルだ=スウェーデン・マルメ(銭本隆行撮影)
【Viva!ヨーロッパ】ウエスタン・ハーバー内に配置された家庭ごみを投入するシューター。地下には自動搬送用のベルトコンベヤーが設置されている=スウェーデン・マルメ(銭本隆行撮影)
【Viva!ヨーロッパ】マルメ郊外にある廃棄物発電所。ゴミは選別されながらクレーンでつり上げられ、左上のシューターへ放り込まれる=スウェーデン・マルメ(銭本隆行撮影) スウェーデン・マルメ 注目集めるエコな未来都市 厳しい自然に囲まれたスウェーデンの中でも、南端に位置し、比較的温暖な気候に恵まれたマルメ。肥沃(ひよく)な平野が広り、海上交易の要衝として港湾都市としても栄えてきた街だが、最近は、再生利用可能なエネルギーの活用による環境に優しい“エコシティー”として世界的にも注目を集めている。 ■エネルギーは自前 首都ストックホルムから南に約600キロ。デンマークの首都コペンハーゲンと海峡をはさんで向かい合うマルメは国内第3の都市。この街の海沿いの一角が、環境に配慮した未来都市「ウエスタン・ハーバー」だ。1.4平方キロに及ぶこの地区には1980年代まで、造船会社コッカムのドックヤードがあった。コッカム社の撤退後、市は地区の再生のため、メッセ会場やマルメ大学を誘致した。 さらに、居住エリアとしての開発も進めており、現在は、1000戸、3500人が住んでいる。居住エリアのエネルギーは100%、地区内の太陽光、風力、水や地下水から熱を取り出すなどして“自前”で賄っている。 市環境政策課のダニエル・スコグさんが「エコに気を使いながらも、デザインも大切」と語るように、16人のデザイナーによって設計された各住居はどれもおしゃれ。しかし、窓を大きくしながらも熱を逃さないように、窓を開けずに換気できるシステムを備えたり、屋根に植生を施すなどエコとデザイン性の両面に配慮されている。 ■地下にコンベヤー 地区内では家庭ゴミは各家庭で分別され、路上に配置されているシューターへ捨てられる。すると、地下で自動的にベルトコンベヤーによって運ばれて収集される仕組みだ。まさに機能性も備えた未来都市を予測させる。 また、市には、沖合約10キロの海上に「リルグルンド風公園」がある。風力発電機48基が海上に並ぶ様は圧巻で世界第3位の規模。2008年に運用が開始され、6万戸に電力を供給している。 さらにマルメでユニークなのは、廃棄物の再利用である。家庭からのごみはもちろん、生ゴミや可燃物などに分別される。それらのゴミはただ処分されるだけではなく、生ゴミは市内バスなどに使われるバイオガスや有機肥料、可燃物は廃棄物発電所で燃やされて地域の暖房システムの熱や電気に生まれ変わる。 市郊外にあるシュサウ社の廃棄物発電所は1973年から一部運用を開始し、現在は4器のボイラーが稼働している。年間55万トンのゴミを燃やして、おおよそ7万戸へ熱を供給しているほか、さらに25万メガワットを発電している。 ■古くも新しい香り 廃棄物発電所を訪れてみた。巨大な建物内はタンクや焼却炉が立ち並び、パイプが走り回って、それなりに発電所らしい。だが、それぞれシルバーや白色で覆われ、“ゴミ”を燃料としているとはよもや想像させない清潔さにあふれている。 17階にあるオペレーションルームでは、オペレーターがガラス越しにクレーンを使って、ゴミを焼却炉へのシューターへ放り込んでいた。 「さまざまな種類のゴミがあり、選別する必要があるため、この作業は手動なのです」と北欧美人の女性職員が説明してくれた。なんやら、古くも新しい香りがする発電所だった。(銭本隆行、写真も/SANKEI EXPRESS) ◇ ■マルメ 人口約29万人。街は15世紀に築かれた要塞(ようさい)から始まり、1658年まではデンマーク領だった。2000年に対岸のコペンハーゲンとの間にオーレスン大橋が開通。列車で約35分でつながれ、年々人口が増加し、デンマーク人も約9000人暮らしている。 ※この記事は転載です。 ※著作権者の意向により、非営利目的で個人または学校クラス内の教材使用に限ります。
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