「绛攸、愛してるわ。ごめんね。ちっともうまくやれなくて......」
自分たちに依存したままなのがわかっていても、黎深も百合もどうしていいかわらなかった。
何をしても、失敗ばかり。とうとうこんなところまできてしまった。
绛攸の掌にある“花菖蒲”を見つめる。
ごめんね、绛攸。
今では、私たちがあなたの足枷になってしまった。
「......ねえ绛攸、あなたはよく、望むことはありますか、って聞いたわね」
ちっともうまく言えなかった。他にどういう言い方をすればわかってもらえたのだろう。
いつからか、めっきりと口数が減ってしまった绛攸。
いくら望みを訊いても、何もしないでいいとしか言えなくて。でもあなたは納得しなかった。
だから、訊かずにさぐって、私たちに望むようにあろうとした。
「馬鹿ね......あと五十年くらい経って、黎深と私がボケボケのおじーちゃんとおばーちゃんになった
ら、喜んで何でもしてもらうわ。でもね、いま、あなたの枷になりたくはないの」
琵琶の音が、ゆるやかに牢を巡る。
「ねえ绛攸、大切な人ができたんでしょう?さあ、起きて」
何もしないでいい。あなたが生きたいと思ったように生きて欲しい。
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「绛攸、黎深はあなたがくるのを、ずっとずっと待ってるのよ。」
大丈夫。何にもしなくても、何かをしても、私たちはあなたを愛してるから。
あなたできないとできないことがあるのだから。
そのとき、階段を複数の足音が降りて来る音がした。
百合は顔を巡らせ、微笑んだ。ほら、あなたの大切な人たちがきだわ。
「绛攸!」
百合は、真っ先にきた王を見て目を瞠った。あの小さな子が大きくなったこと。
「绛攸、黎深はあなたがくるのを、ずっとずっと待ってるのよ。」
绛攸は白文鳥を見つめた。......百合は確かにそういった。
黎深様が、俺を待っている?
......止めっていた思考が、元のめまぐるしい速さで動き出す。
楊修の、百合の、言葉の意味を理解する。
自分がしなくてはならなかったこと。言わなければならなかったこと。
黎深が自分に何をの望んでいたか。
馬鹿馬鹿しいほどあっけなく、答えが掌に落ちてきた。
次いで、びっしょり冷やを汗かいた。
(しまった!!本当に俺はバカだ!!何をノンキにこんなとこうろうろしてんだ!)
白文鳥と桜文鳥か、羽ばたいた。琵琶の聞こえるほうへ,
まるで绛攸をいざなうように。
绛攸は全力疾走でそれを追った。
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绛攸は苦笑いした。それは自嘲というのではなく。どこか晴れ晴れとしたものだった。
「俺はお前の師にふさわしくなかったな」
秀麗は目を丸くした。次いで、そのやせて細くなった手をにぎった。
「それを決めるのは绛攸様じゃなくて私です。私の師は绛攸様一人きりです。他に誰もいません。私のたっ
た一人の師でいてくださいね。绛攸様が必要なんです」
绛攸は目を閉じて、その快い言葉を聞いた。
「......ああ。俺にもお前が必要だ」
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.............................................................私の話
绛攸は本当に黎深様の事が大好きだった。
大好きで、大好きで、けれど、心には悲しくてつらかった。
あの時、绛攸は心から迷った、どうしていいかもわからない、もうすぐ我慢できなかった。
でも帰った、黎深様が自分を呼んでる、百合さんの優しい声が心の底に届けた。
黎深お父様と百合お母様が待っている、そして、秀麗も、劉輝も、心配していたみんなも。
だから帰った、みんなの所に帰った。
..................................................... 心配して御免なさい、みんな、遅れけど、ただいま帰りました。
..................................................... お帰りなさい、绛攸様。(あたしの話)